地域振興の観点でメディアが取材に行く自治体、行かない自治体

   

地域振興ネタの多い自治体、道内1位は釧路?

なんかあの地域は、新聞・テレビに頻繁に出てくるなぁ・・・と思うこと、皆さんはありますか?

10年近く道内地方自治体や地元団体などが地域振興的な観点で、どんな施策を打ちだして、それを新聞・テレビ・ネット媒体がどのように扱っているか、私はいつもネタ探しというか、ウォッチし続けてきました。そんな中で私は一つの傾向を感じていました。

例えば、釧路市、登別市、富良野市、下川町、伊達市、東川町、士別市、恵庭市あたりは、比較的、自治体や地元団体が地域課題(高齢化対応とか地域振興とか防災対策とか…)に取り組んでいるという話題やニュースが、新聞やテレビや雑誌、ネット媒体などで扱っているのをよく見かけました。

特にこの10年間のネタのバリエーションが多彩なのは、防災、福祉、移住、商業振興などの話題が多かった釧路市ではないかと感じていました。これはネタの数もありますが、ヘビーな地域課題に真っ正面から取り組んだ、ぶつかった時の重さ、衝撃音の大きさのような感じだと思って頂ければと思います。行政の施策力、そして住民側が自主的に取り組んでいることの中にも光るモノが多くて何度も釧路には取材に行きました。

また、子育てや企業誘致、防災、スポーツ、高齢者福祉、環境対策など、ワンポイントのテーマで何度もその地域が出てくる、という特化型の地域は結構あります。むしろあの町は、毎年毎年、○○祭りのニュースしか出てこないなぁ。。。という地域はむしろ多いので。

ネタの少ない自治体は?

一方、実名挙げて恐縮ですが、猿払村、幕別町、広尾町、滝上町、北斗市、上川町、妹背牛町、上ノ国町あたりは、一般的なニュースはいろいろあるんでしょうけれども、地域振興的な観点ではネタが少なかったと感じます。あ、また、これは私独自の感覚であって、正確に統計もとっていない話です。でも、この10年間ではその傾向はあると思います。

これは、現状の景気の良し悪しというより、自治体や地元団体が、厳しい現状認識と危機感があって、その上で何か対策に取り組んでいるか、によって差が出ているのかなと邪推しています。大都市のほうが潤沢な予算も人員もいるので施策の球数いっぱい打てるという面もあるので、そもそもこれはフェアな闘いではないことをお断りしておきます。

また、地場産業が安泰で、金もあって、そんな新しい施策考え出さなくても安定しているので、今は、それの恩恵をしっかり享受。特段新しいことをしなくても良い、しっかり守っていくことが大事だからむしろニュースにならないというような地域もあるかと思います。でもそれは過去の努力があったわけです。過去にホタテ漁養殖を軌道に乗せる努力を行い、それで地域経済が安定している猿払村などは、漁業後継者もいるし、地域経済の基盤もあるので、よその地域から後継者を連れてくる必要が無いし、新たな産業を無理に誘致する必要もないのでその方面の話題は少ないというのは何ら不自然ではないわけです。

あるいは、本当は課題山積で、どんどん右肩下がりの状況にあるのに、課題に真っ正面から向き合わず、保守的な発想でいる地域では、そんなメディアが注目するような話題は出てこないということもあると思います。

また、新聞やテレビ、ネットなども、別に全道を公平に情報収集しているわけじゃない。手薄なエリアってのが確実にあります。また、メディアは正攻法の施策より、時流に乗ったネタや奇策のようなものを追いかける傾向もあるので、話題作りのうまさや広報戦略の差も確実にあると思います。

ネタが多いと指摘させてもらった釧路市は、過去に漁業と炭鉱業が一気に衰退し、そこから地域全体が陥落していくかのような厳しい時代が続いたので、活路を見いだそうと、必死に動いた人たちがいたっていう面があるのかなと思います。

逆に、メディアが「○○町が○○に取り組むことを発表した」というニュースが比較的でかく扱われたのを私が覚えておいて、2年後とかに、結果どうだったか、自治体や商工会などに電話したら、ものすごく歯切れが悪く、実際のところ成果といえる成果がなかったというようなケースは実はかなりありました。

つまり発表の時だけ威勢が良くても、そのあとそのテーマに本気で取り組まなかったと。なんなら中央の予算だけゲットしてくるのは上手だったけど、あとはアリバイ的にこなして、後に残る成果物がなかった、というようなケースです。悲しいやつです。

最後に・・・

家畜糞尿の匂いをきっかけにバイオマスに取り組んだ鹿追町、発達障がいのお子さんはどの市町村にもいるのに芽室町はこの分野で注目されていること、シカによる鳥獣被害を逆手にとってハンター育成をまちおこしにつなげる西興部村、盤石な一次産業に安住せず、道の駅を充実させ交流人口を拡大させる中札内村、信号のないまっすぐな道と夏の涼しさを生かして合宿誘致をする士別市など一見すると悪条件とも思えることを地域振興やまちの誇りにつなげる地域は少なくありません。

目覚ましいニュースとしては扱われていないけどもスポーツや文化振興などの面で継続的な官民連携を行っている今金町や、高齢者の介護を行う家族を地域が支える仕組みづくりを進める栗山町など、たとえニュースにならなくても住民たちはそのことに誇りを持っているということだってあります。せっかくなら自分の住むまちがそうあってほしいし、そうなるために関わりたいなと個人的には思います。

栗原
北海道・札幌の編集者・ライター栗原です。紙やwebなど様々な媒体で取材・撮影・記事を制作しています。栗原のプロフィール facebook  twitter  mail  札幌良い住宅jp

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