ミナミヌマエビが死ぬ理由(残留農薬or酸欠+混泳で食われる+水質)について

      2020/03/06

飼っているミナミヌマエビとレッドチェリーシュリンプが少しずつ死ぬ、★になる原因とその対策について書きます。


そもそも、レッドビーシュリンプに比べれば、ミナミヌマエビやレッドチェリーシュリンプは飼育・繁殖が容易だとは良く聞く話です。

なのでレッドビーシュリンプを飼い、繁殖させてきた人だと、レッドビーシュリンプの飼育ノウハウに比べればミナミヌマエビ飼育くらいは楽勝だと考えるかと思います。

ミナミヌマエビ・チェリーシュリンプより飼育が難しいレッドビーシュリンプの場合

レッドビーシュリンプを飼育・繁殖する人は、

1 水質が弱酸性になってちょうど良いのでソイルを底砂に敷く。栄養系ソイル、吸着系ソイルの違いを理解し自分にあった方法を見極める。

2 エビが食べられる恐れのある小型魚と混泳はさせない

3 なんなら石や流木など、水質変化やメンテ上、手間になるものもほぼ置かない

4 残留農薬の恐れがある水草を入れない

5 エビは温度・水質変化に極めて弱いので、点滴法で数時間かけて水合わせをする

6 ソイルは定期的に交換するしリセットもするので、多種の水草を繁茂させるより、ソイルを敷いただけにして、水草はウィローモスや流木活着系にする

7 ソイルの掃除などでは、汚れなどを巻き上げないように、ソイルの中の微生物を弱らせないように掃除は一気にやらずちょっとづつやる

7 エビは魚より酸欠に非常に弱い。エアレーションを基本的には常時やる。

8 夏場に30℃以上になると酸欠などのリスクが急上昇するので、クーラーや扇風機などで水槽を28℃以下にする。

9 水質を日々チェックし検証を重ねる

10 えさはエビ専用のえさをやる

11 水質の変化など、急な事情に対処できるように、エビ避難用の水槽は常に稼働させる。

12 なんなら狙い通りの柄や色を作出するために、複数の水槽で選別をしていく

13 稚エビが吸い込まれないように吸水口にスポンジ付ける

みたいなことを実践されていると思います。

つまりエビ専用水槽化への道


つまりエビのための、エビ専用水槽になってきて、

水草をより楽しむにはco2が必要だけどそれは諦める。
テトラとか小型魚との混泳ぎも楽しみたいけど、それも諦める。
石組や流木のレイアウトも楽しみたいけど、メンテが大変になるから諦める。

みたいなことになりやすい。

これらは、レッドビーシュリンプ単体の飼育繁殖の面白さと難しさに魅せられて、ハマってくるわけです。

ただここまでやると、本当にエビを飼っているだけになってきて、家族とかは理解できなくなってくる気がします。

私も以前はハマりました。

エビしか泳いでいないからビジュアル的にアレですが、レッドビーシュリンプのブリーディングを楽しむ感じです。

でも、ある日、夏の暑さでエビたちが全滅して、心折れました。北海道だから熱いっていっても大丈夫だろと思ったけどダメだったのです。

そこで私としては、しばらくエビ飼育からは遠ざかっていたのですが、10年経ってまたちょっと水草水槽やりだしたのもあって・・・

水槽内にエビは飼いたいけどエビ専用ってわけじゃない
水草や小型魚なども楽しみながらコケ対策も兼ねてエビ飼いたい

位の方が、自分的にも、家族的にもいいなと思っているのです。

そこで今回私は、ミナミヌマエビとレッドチェリーシュリンプを楽しく飼っているわけです。

でミナミヌマエビとレッドチェリーシュリンプがなぜか★になる、という方に向けて私なりに経験を書きます。

まず私の水草水槽はこんな感じです

環境
60センチ水槽
エーハイム2213(外部濾過)
3灯式蛍光灯
発酵式co2添加
ヒーター
ソイル(水草一番、コントロソイル)

生体
ミナミヌマエビ200匹
レッドチェリーシュリンプ20匹
ベルベットブルーダークシュリンプは、稚エビが5匹くらい?
コリドラス5匹(小さめ)
オトシンクルス4匹

水草
南米ウィローモスでモスツリーを5本くらい。
ロタラインディカ(組織培養1パック購入し育成)
グロッソスティグマ(右上の盛り上がった場所)
ニューラージパールグラス少々(手前)
パールグラス(左手前)

【水草水槽】ニューラージパールグラスをミスト式で育てる

という状態でして、当初はミナミヌマエビはコケ対策を兼ねた脇役扱いでした。

でも、いざミナミヌマエビを買い始めるとなんか可愛い・・・
特にレッドチェリーシュリンプが綺麗!

聞くところによるとクリスタルレッドシュリンプよりもミナミヌマエビの方が丈夫で簡単だと聞いていたのですが、どうもおかしい・・・ソイルで弱酸性+外部濾過で水質維持+捕食するような魚はいない、
ということで、まあ大丈夫なハズだったのに、
ミナミヌマエビとレッドチェリーシュリンプが知らず知らずのうちに消えていくのです。

ちなみにコメント頂いて思い出しましたが、水合わせに点滴法を使うのは、レッドビーシュリンプだけでなくミナミヌマエビについても必須だと思います。そうしないと最初の数日で★になる確率がぐっとあがってしまうので。飼ってきたエビを袋のまま水槽に浮かべて温度あわせして、そこにちょっとずつ水槽の水をカップで入れていく、みたいな、魚と同じやり方をしている方もいると思いますがそれだと水合わせが急過ぎると思います。

水草の残留農薬について

最初に疑ったのは、水草の農薬です。エビはとにかく残留農薬に弱いと聞いていたので。最近追加で入れた「アナカリス」は国産で無農薬だとお店の人には聞いていました。

ウィローモスに関しては、これまた最近入れたし、絶対無農薬なのか確信は持てませんでした。残留農薬が多いと噂のアヌビアスナナとか、ホームセンターで無農薬なのか確認できないような水草を入れたりは
していないし、次々と水草を購入しているわけでもない。無農薬だと聞いた水草でも念のため「水草そのまえに」に10分浸すなど、念には念を入れました。

リスクは少なかったはず。そしてエビさんたちは、4~5日くらいは別に平気で生きていてツマツマもしていました。残留農薬入りの水草が水槽に入るとエビが狂ったように泳ぐ、らしくそういう兆候はありませんでした。

酸欠について

次に疑ったのは酸欠です。

正直、熱帯魚を飼って約20年。エアレーションか外部濾過で熱帯魚を飼っていて酸欠問題なんかほとんど経験ありません。クリスタルレッドシュリンプ飼っていたころ、夏場に水温が上がるからその結果、水の中の残存酸素量が減ると聞いてエアレーションを強化した経験はありますが、それ以外は、ほとんど気にしたことがありませんでした。

しかし今回、当初は水草水槽にしようと思っていたこともあり、発酵式でco2添加をしておりまして、2リットルペットボトルで、砂糖多めに投入していました。
記事はこちら 二酸化炭素を作って、水草を育てる。
そのため、かなり二酸化炭素は出ていましたし日中はグロッソなどから気泡も出ていました。ただグロッソは黒髭が出てきたのでほぼ撤去しましたが。つまり外部濾過器なのでエアレーションはなく、酸素の供給は、外部濾過器から出る水が水面に落ちる時に空気が水に混ざるのと、水草が光合成するときに供給される酸素だけです。

つまり夜間は、水草も呼吸するので酸素が減る。もちろん魚もエビも呼吸するので酸素が減る。で発酵式co2は夜間も出っぱなしなので、二酸化炭素は供給され続ける。別に、小型の魚なども、エビも苦しそうに水面で息を吸ったりはしていないけどもしかしたら、弱いエビは酸欠で苦しんでいるのかも?

で、ミナミヌマエビの死因として、co2添加していると酸欠ってのは案外あるという話をネットでいくつか見たので、静か&高出力で定評のある水心

を買って、夜間だけエアレーションをしてみました。

すると、全くエビが死ななくなりました。どうやら酸欠だったのかも・・・ただし魚たちは全く苦しそうなそぶりはないし。完全には納得したわけではないですがエビの方が酸欠に弱いそうですし。

酸欠に関しての追伸:これまで私は、水の中に含まれる酸素と二酸化炭素は、どっちかが豊富だとどっちかが少なくなるようなイメージを持っていました。でも、実際は、エアレーションをガンガンやっていて酸素はたくさん含まれている水だとしても、それとは別に、二酸化炭素を凄い量添加していたら、確かにエアレーションによって二酸化炭素は外に出るはでるけど、でも酸素と二酸化炭素がどちらも水中にいっぱいある、という状態もあるようです。酸素の量とは別問題としてのco2中毒になるってことです。co2添加量が多い中で、水草をトリミングしたりした後、水草がco2を吸収する量が減ったりするとco2中毒になりやすいです。水草をメインにしているとco2添加量を増やしたくなる。でもエビや魚にはco2はリスク要因にしかならない。両立はもちろんできるけど、両方への配慮がいるって話です。

テトラにミナミヌマエビが食われるのか?

上記のように「農薬」と「酸欠」に関して手を打ち、エビが★になることもほとんどなくなりました。

それから2週間くらい経過。
安心して、気をよくした私は、
グローライトテトラ5匹
レッドファントムテトラ5匹
を買って水槽に入れました。

それは、これまでもネオンテトラとかは、エビを食ったりしないし(稚エビは食われる)、小型魚との混泳は、繁殖が難しくはなる(水草で隠れ家を作れば大丈夫)けど混泳自体は大丈夫だと聞いていたからです。コリドラスとオトシンだけだと、水槽内を普通に泳ぐ魚がいないので寂しかったのです。ただし稚エビが食われることを心配したので、

メルカリで、ウィローモスや南米ウィローモスを安く飼って、水槽に入れるなどの対策はしました。
これはなかなか良かった。メルカリで「ウィローモス」と入れると出品が結構ありました。10グラムで360円の南米ウィローモスを購入。50グラムで700円のウィローモスを購入。私が住む北海道に、埼玉などから4日で、封筒に入ってやってきました。状態も良く、安かった。

ウィローモスなら少々冷えても、濡れティッシュに包んでジップロックで保湿されていれば全く枯れることなく届くとわかりました。ウィローモスは通販でも個人売買でも良さそうです。ただ、ウィローモスにもいろいろ違いがありますね。今回届いたウィローモスは、細いというか、直毛の髪の毛のような感じでした。しばらく育てれば新芽もどんどん出てきて、毛糸のようにふんわりした感じになるかなとは期待しているのですが・・・。

ちなみにミナミヌマエビの隠れ家にウィローモスが良いと言っても、ウィローモスが隠れ家として機能を発揮するのは買ってから1カ月後くらいではないでしょうか。新芽が出てくるまで2週間以上かかり、もさもさになるとなると1カ月では足りないと思うので。最初はアナカリスでも飼って隠れ家作った方が良いかと。

あ、話脱線しましたね。

グローライトテトラ5匹
レッドファントムテトラ5匹

を水槽に入れて様子を見ていたのですが、パッと見、エビが襲われている様子はありませんでした。ただエビにテトラが近づいた時、エビがびっくりして飛んで逃げたり、逆に、小型魚の姿を見て怖くなったのか、エビが前景草のあたりには出てこなくなったのはありました。たぶん慣れないせいかもしれませんが怖がっているのではないかと思います。

で3日位経って気付いたんです。エビが10匹以上減っていることを・・・。

特にレッドファントムテトラのうち一部のヤツが、エビをつんつんしているのは見かけたこともあって、早速私は念のためグローライトテトラとレッドファントムテトラの計10匹を別水槽に移しました。すると、そこから先、ミナミヌマエビとレッドチェリーシュリンプも1匹も減りません。

また、全景草のあたりにもエビが出てくるようになりました。さらに抱卵するエビも出てきました。気のせいかエビたちがのびのび暮らしている気がします。すいすい泳いだりもしています。たまに底物という意味でバッティングするコリドラスにびっくりはしているようですけど、何ら食われるリスクが無い中で、平和そうです。

ちなみに、小型魚とミナミヌマエビは混泳させても良いが稚エビは食われるので繁殖はやや難しいといろいろなサイトで書かれています。ただ私の印象では、ミナミヌマエビは脇役だから何かと混泳させたいという事情はあるけど、ミナミヌマエビの命を大事に考えるなら混泳はさせない方がより良いのではないかと。

以上、ダラダラと書いてしまいましたが・・・
今、ミナミヌマエビが多分200匹以上、抱卵個体が5匹以上います。

要するに私の結論は

ミナミヌマエビやレッドチェリーシュリンプを飼う際は

最善なのは小型のテトラでさえ混泳させないこと。エビの隠れ家作るのもいいが究極は混泳させないこと。

co2添加している水草水槽では特に、夜間のエアレーションは酸欠対策として実施すべき。

水草の残留農薬は最低限店員さんに確認する。「水草そのまえに」に10分浸す。組織培養の無農薬水草なら安心。

もちろん水質の安定は絶対条件。水替えで何とかする、ではなく濾過能力ちゃんと考えるべきです。

ということかなと思っております。

あ、あと、ソイルを厚く敷いているなら、水替えのとき、プロホースとかで、排出水量を最小にしながら、ソイルにホースを突っ込んで、ソイル内の糞など、泥を定期的に掃除した方が良いと思います。排出水量を減らすのが大事で、水より汚れを排出したいんです。

ソイル内を掃除すると、ソイルが崩れるのを早めるリスクはあるかと思いますが、しかもソイル内はバクテリアの棲家だからいじるな、ということもありますが、水槽内のソイルを9回位に分けて、週一位に分けて掃除すると、その箇所の掃除は2ヶ月以上先になるので、微生物の生存も大丈夫。

あと半年に一回くらい、ソイルを三分の一くらいづつ交換すると、リセットしなくても良くなりますね。

追伸:いま、私の4つの水槽にはミナミヌマエビがおそらく合計500匹はいます。60センチ水槽に200匹ミナミヌマエビがいると、お客さんとかは少し引きます。環境が良くなるとミナミヌマエビは思った以上に繁殖します。

またミナミヌマエビは、コケとり能力もある一方で、コケを食べつくしてグロッソなどの若芽を少し食害し始めました。エサ多めにやらないと・・・。また、ベアタンクにしているとわかりやすいですが、かなりたくさん糞をしています。ミナミヌマエビ自体が水を汚すので富栄養化でコケの要因になります。

今回の記事は、ミナミヌマエビを死なせずに飼う方法について検証しましたが、どんどん増えるようになるとそれはそれで問題かもしれません。水槽を無限に増やせるわけでもないので。繁殖力の強い、安いミナミヌマエビを導入することでコケとりと、エビ飼育を楽しみたいと思って始めたことですが、今思えば、ミナミは導入せず、レッドチェリーか、オレンジチェリーか、イエローか、ブルーか。水槽ごとに色違いのチェリーシュリンプを入れればよかったな、と思っています。ミナミヌマエビやチェリーシュリンプは混泳させると、交配して色が薄まったりするから、同じ色同士で買いたいし。

もし、今からミナミヌマエビの繁殖にチャレンジする方がいたら、チェリーシュリンプ系にするかどうかは、最初に決めないと、あとで困ったことになるかも、とお伝えしておきます。

 - 小ネタ, 熱帯魚