ライターと編集者が相手の立場で考える、ことは可能か
ライターとして原稿を書いていると、完成度60%位のところまで到達しないと、まだまだいつ頃完成しそうか、という目処が全く立たない、ような気持ちになる。このあと自分で組み立てすら変えてしまう大手術を行う可能性だってあるから。しかも今書いている原稿がどのような評価を受けるかという不安も当然あり、どの程度やれば合格、という判定も自分でやるわけではないので、念入りにやりたくもなる。だから途中経過の進行報告は遅くなりがち。
一方、そのライターから原稿を受け取る側の編集者は、経過報告がなければ、そのライターがそもそも着手しているのか、20%位で挫折したり方向を大きく間違っていないか、それとももう完成間近で、あと10分待ったらメールが送られてくるのか、さっぱりわからない。〆切が厳しい場合は、催促するか、待つか、それとも・・・とあれこれ無駄に悩むこともある。
私は90%、自分が編集側にいた上で、自分が書いたり、ライターさんに原稿を依頼する側ばっかりを20年近くやってきたので、気持ちの軸足が編集者側にあったのだということを、改めて今、ライター側になる貴重な機会をいただいて、感じている次第。発行元や自分の上司に原稿チェックを受けることは当然あるのでその時の心理は割とライター寄りかなとは思いますけども。
私の座右の銘?は「立場が変われば考え方も変わる」です。基本的にみんな自分の立場からしかものを考えられない。相手の立場を分かったつもりでも本当は十分にはわからない。気を配っている人でも、それは「配っている」のが精一杯であって相手の立場になりきって考えるなんてほとんど無理。
なので、できるだけ、仕事でもプライベートでも、自分の役割や立場、職能に固執せず、違う仕事、立場のミッションも喜んでやってみると、視野が広がり、はじめて両方の立場で考えられる人間になるのではないかと私は思います。以上810字。