北海道の自然満喫するなら。おすすめアウトドア団体20選
2019/01/08
北海道人は北海道の自然に価値を感じない?
北海道は豊かな自然がたっぷり。でも、長年北海道で暮らしていると、見渡す限りの自然や景観に魅力を感じなくなるという傾向、道産子ならわかるかと思います。そりゃもちろんたまにはスキーをしたり、春に桜やミズバショウを見たりはします。でも日常ではあまり自然に注目したりはそれほどしないという・・・。
その結果、北海道内で奮闘するアウトドアガイドは、多くが道外出身だったりします。北海道で育っていないからこそ、北海道の魅力に感動するわけです。また自然体験のツアーなどを開催すると参加者の多くが道外の人であり、地元北海道の人は参加しない。「なんだ?自然の中見て回るだけで●千円も取られるのか?」みたいな感覚を持ってしまうわけです。
ということで、今回は北海道内のアウトドア関連の市民団体や、北海道の自然を守ろうと奮闘されている団体、20件ほどをご紹介したいと思います。
新得町のアウトドアスポーツ団体 TACとかちアドベンチャーくらぶ
新得町の建設会社社長が、札幌や信州のアウトドア好きの仲間を集めて平成11年に設立。年間約2500人がラフティングやスノーシュー、クロスカントリー、エアボード、リバーカヤック、木登り、搾乳やイモ掘りなど多彩なプログラムを実践しています。http://tac-go-go.com/
羅臼町で知床のゴミ拾い活動 特定非営利活動法人 しれとこラ・ウシ
世界遺産、知床半島の海岸に漂着するドラム缶やタイヤ、洗剤容器、ビニールシートなど大量のゴミを平成11年から拾い続けているのが羅臼町内のNPO法人しれとこラ・ウシです。民宿経営の湊謙一さんが自主的にゴミ拾いを始めたのがきっかけで、平成10年に羅臼町の打診を受けて事業化、平成17年にNPOを設立して町と共催でツアーなどを開催するようになりました。毎年10回ほど船に乗り込み、1日がかりで海岸の漂着物を200~300㌔位回収。町が処分する活動を続けています。それにしても凄いゴミの量・・・
特定非営利活動法人ねおす
道内各地に若者を送り込み、地域の人と一体となって自然学校やエコツアーなどを企画して、都会から多くの人を田舎に呼び込み、自然を活かした地域活性化を20年以上行ってきたねおすさん。北海道では最も有名な自然系、アウトドア系の市民団体かなと思います。ただ現在は、解散というか組織形態を変えて活動されているようです。
「今後は、これまで独立した 大沼流山牧場、NPOねおす共育ファンドを含め、NPO大雪山自然学校、NPOいぶり自然学校、NPOくろす野外計画社(黒松内ぶなの森自然学校の更新・申請中)の5法人、個人起業3件に分派し、NPOねおすの理念と使命を引き継ぎつつ、人・モノ・カネ・情報の経営資源は独立管理させ各地域を足場に経営努力を重ね、団体間としては、任意のネットワーク団体ねおすとして、ゆるやかな連携を図って参りたいと考えております。」とサイトにありました。私が取材に伺ったのは2010年。地域の溶け込む大切さや、人材育成の大切さ、道内各地の自然の魅力についても熱く語っていただいたことを思い出します。
猿払村でイトウの保護 猿払イトウの会
幻の魚と言われる日本最大の淡水魚「イトウ」。平成17年に猿払村の商工業者や行政、農業者などが中心となって守っていこうと「猿払イトウの会」を結成しました。稚魚観察や環境セミナー、子ども向け体験イベントなどを行っています。http://www.itounosato.jp/
名寄市で天塩川保護活動 特定非営利活動法人 天塩川リバーネット21
日本第4位の長流「天塩川」。近隣市町村の住民や自治体が連携し平成16年に設立しました。天塩川流域のゴミ回収、イカダ下りやニジマス放流などの活動を進めています。
せたな町・今金町で有機農業 山の会
道南のせたな町と今金町の農家さん6世帯が連携して有機栽培、自然栽培の農産物づくりと、それらの農産物を活かした料理づくりなどの情報発信を進めています。
https://www.facebook.com/yamanokai
知床の自然保護 特定非営利活動法人知床自然学校
平成20年に、知床岩尾別ユースホステルのマネジャー関口均さんが知人等に声を掛けて、知床の森を守り自然を楽しむ団体「特定非営利活動法人知床自然学校」を設立しました。斜里町ウトロの国有林「アッカムイの森」をフィールドに植樹や鹿の食害対策などを実施。平成21年には、ミズナラのドングリを自宅で育て、成長した苗木を知床の森に返すという「ドングリの里親プロジェクト」を企画したところ、全国紙に紹介され、今では里親が43都道府県、376人にも上るそうです。ホームページもリニューアルされたみたい。http://www.shiretoko-guide.com/
厚岸町で自然中心の教育体験 山小屋らんぷのいえ
昭和55年に釧路市職員だった山田和弘さんが厚岸町にある豊受神社境内の鎮守の杜の中に私財を投じて建設したのが「山小屋らんぷのいえ」。きっかけは、山田さんは非行少年らの更正支援で山小屋での共同生活を行ったこと。今では全国から自然体験をしたい多くの子どもたちが訪れ共同生活する場になっている。電気やガスのない小屋で、子どもたちが自力でご飯を炊き、お風呂を沸かし、自然で遊び、原始的な暮らしの中で成長する場になっています。若い頃はマイホームも建てずに山小屋を建てたりと変人扱いされたという山田さんですが平成8年には教育長にもなり、地元で一目置かれる存在です。サイトは見当たらなかったです。
特定非営利活動法人 旧狩勝線を楽しむ会
昭和41年に廃線となった国鉄旧狩勝線の線路跡を走る「狩勝トレイルランニング」が平成24年5月に開催されました。以来毎年行われているようですね。http://www.karikachi.org/trailrun/上川側の南富良野落合から十勝側の新得町まで、鉄道の難所だった峠越えの線路を辿るコース。鉄道好きにはたまらないレンガ造の橋やトンネル、大築堤などの鉄道施設が100年の風雪に耐えて残っています。
認定NPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク
道北のサロベツ原野は湿原の花や砂丘林などが魅力ですが、酪農が盛んになるとともに湿原の乾燥化が自然保護の上で課題になった。平成16年4月にサロベツエコネットワークを設立。動植物や外来種の調査、植樹や自然体験活動などを進めています。http://sarobetsu.or.jp/
美国・美しい海づくり協議会
「積丹ブルー」と呼ばれる積丹半島の色鮮やかな海や切り立った崖、岩礁は、道内有数のダイビングスポット、特産のウニも人気です。しかし藻場が磯焼けによって失われ、水産資源が減少する深刻な事態が進んでいます。そこで、積丹町美国地区の漁業者やダイバー、観光事業者や漁協などが力を合わせ平成20年に美国・美しい海づくり協議会を結成。70人のメンバーが藻場を食害するキタムラサキウニの計画的除去や栄養塩の投入、活動を知って貰うためのフォーラム開催などを行っています。心ないダイバーによる密漁も過去にはあった中で、漁業者とダイバーたちが心を一つにして海の豊かさを守ろうという活動は全国からも注目を集めています。https://sites.google.com/site/kelpcoast/
特定非営利活動法人ビオトープ・イタンキIN室蘭
室蘭市内の手芸やさん、大西勳さんは、鳴砂で有名なイタンキ浜にある潮見公園に、人工の湿地を作り、絶命危惧種のエゾホトケドジョウをはじめトヨミ、ヘイケボタルなど、滅多に見ることがなくなった希少生物を守る活動を行っています。2000平方メートルの湿地では子どもたちが生き物の最終もできるという点に私は驚きました。ビオトープは希少な生物を必死で守る場所だと思っていたからです。多少なら子どもたちが採集もできるほど、豊かな環境を作り上げたことに驚いたわけです。https://www.facebook.com/biotop.itanki/
特定非営利活動法人増毛山道の会
増毛町と石狩市を結ぶ増毛山道。江戸幕府が蝦夷地の防衛を目的に全長37㌔の山道を場所請負人伊達林右衛門に開削させました。ニシンや日用品、郵便物の輸送にも使われましたが、昭和25年に増毛と雄冬を結ぶ定期船が運航すると山道は緑の中に埋もれていきました。その山道を後世に伝えようとササ狩りやトレッキングのイベントを行っているのが増毛山道の会なのです。http://www.kosugi-sp.jp/sando/top.html
特定非営利活動法人ところ川自然学校
私は小学生の時、北見に住んでいましたが、当時、常呂川で釣りや河川敷で走り回ったりと、常呂川は身近な存在でした。ですが親からは、常呂川は水銀が出るから釣った魚を食べたりしたらダメだとよく言われていました。家畜糞尿や鉱山廃水などによる汚染の影響もあって、北見市民は常呂川はあまり綺麗な川だと思っていないわけです。そんな常呂川ですが実は特に上流は自然豊かな川で、川の近くにはエゾナキウザギや野生のホタルにも出会えるそうです。そんな常呂川と周辺の自然の魅力を地域の子ども達に伝えようと、ところ川自然学校の羽根石晃彦さんはカヌー、魚のつかみ取り、ニホンザリガニの生息調査、コウモリの観察などのイベントを地域で多彩に仕掛けています。
https://www.facebook.com/NPOTNS
特定非営利活動法人釧路湿原やちの会
日本最大の湿原、釧路湿原は昭和62年に国立公園に指定され、全国から観光客が訪れる。市町村職員や教職員などがボランティアレンジャーとして案内をしてきたが、ニーズが多く、対応しきれない状況でした。そこで平成9年に有志が有料ガイドを行う「釧路湿原やちの会」を結成し、年間4000人の修学旅行生やツアー客を16人のメンバーがガイドする体制を整えました。http://www.kushiro-yachi.com/
特定非営利活動法人環境ボランティア野山人
環境ボランティア野山人は、上富良野町の四季折々の美しい景観や自然を満喫するフットパスの普及に取り組む団体です。平成19年から約60人のメンバーが11のコースを開拓。メンバーは田園風景を楽しむコース、山野草のある森や十勝岳連峰が眼前に迫るコースなど、多彩なコースで一年中フットパスを楽んでいるそうです。
いしかり海辺ファンクラブ
石狩市厚田区から小樽市銭函に至る約25㌔の石狩海岸。石狩湾新港以外は護岸工事など人の手が入っておらず、大都市札幌からほど近い場所に広大な砂浜や海浜植物が姿を留めています。そこで絶滅危惧種のイソスミレや、初夏にはハマナスの花も咲き乱れる美しい砂浜を守ろうと自然保護活動などを進めているのが「いしかり海辺ファンクラブ」です。
http://ishikari-umibe-fc.jimdo.com/
NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンター
上士幌町の糠平湖に魅了された河田充さん。糠平温泉のアルバイトなどをきっかけに移住、平成9年にはひがし大雪自然ガイドセンターを設立し、季節によって湖面の下に潜ったり、姿を現したりする旧国鉄士幌線タウシュベツ橋梁を見るツアーや、イワナの渓流釣り、星空観察会、冬場の氷上ワカサギ釣りなどで多くの観光客を楽しませています。https://www.facebook.com/nipe2013/
認定NPO法人どんころ野外学校
昭和61年に、美幌町出身の目黒義重さんが南富良野の山々や空知川を拠点にアウトドア活動を開始。ログハウスを建てどんころ野外学校を設立。登山ガイドやカヌー、ラフティング、スノーシューや犬ぞり、バックカントリースキーなど多彩なメニューを11人のスタッフとともに提供している。スタッフの通年雇用にもこだわり、町立体育館などの指定管理も担当。南富良野の自然を活かしたアウトドアを牽引している。http://www.donkoro.com/
洞爺ガイドセンター
洞爺湖を主なフィールドに安全で楽しいアウトドア体験を提供するのが洞爺ガイドセンター。中島の独特の植生、カナディアンカヌーで体験する湖面の表情の多彩さ、有珠山の火山などいろいろな自然体験ができることが魅力です。この写真はまるで水上に立っているかのようにみえる「みずうみテラス」です。http://www.toya-guide.com/
このように北海道内にはたくさんのアウトドア、環境保護活動を進める市民団体があります。まだまだありますので随時更新していきます。