水槽台自作の全記録(60センチ用)
2020/03/15
この投稿は、DIY(日曜大工)経験の極めて少ない、ろくに道具も持っていない47歳のおじさんが、60センチ水槽台と90センチ水槽台を一から、試行錯誤して制作した記録です。
耐荷重のこととか、前置きが長く、実制作のレポートはかなり下ですのでご注意ください。
(まだ書きかけです)
↑これが完成品です。ネット上にいろんな自作のレポートがありましたので片っ端から見ましたが、そこに乗っていない点でいくつか失敗も経験しました。やってみて理屈が分かった部分も多々あります。
そもそも・・・
つい最近まで、私の家には、60㎝企画水槽が2つと30㎝キューブ水槽が1つあり、横並びにすると150㎝になります。左は、専用水槽台ではなく、こんな家具に、60㎝水槽と30㎝キューブ水槽を載せていました。専用水槽台ではないものに載せている、複数の水槽を1つの水槽台に載せているという2つの間違いを犯しています。
その結果、中央部分がへこみ、特に左の30キューブ水槽が右に傾いています。扉の開閉もしにくくなっています。1つの水槽台に2つの水槽を載せるとこういうことにもなるようです。こういう場合は中央あたりに支柱的な柱で補強も必要でしょう。いずれにしてもこの状態は危なっかしい!
あとで発覚しましたが、右の既製品水槽台も、以前、水に濡れたことがあったせいで、ビスが錆び、合板が膨れ、一部くさっていたという問題が発生していました。放置していたらヤバかったかもしれません。
ということで家族の心配も押し切って、苦労して自作水槽台作りました!
まずは、ポイント列挙します
ところで、
結構みなさんの水槽台自作ブログ投稿を見ると、最後のほうになって、設計が難しかったとか、思ったよりお金や時間がかかったとか書いてあるものや、詳しい内容は書かずに、材料はホームセンターで買って、ビス止めしたら上手にできた!みたいなざっくりした内容が多く、ほんとうはもっといろいろ考えたり、失敗したんじゃないかなと思ったわけです。
数名のブログ投稿を見て、ユーチューブも見て、いろいろ組み合わせて答えを探し、最終的には自分でやってみて検証しました。
ということで私は
A 既製品より丈夫な水槽台を作れるか
B DIY初心者の私が果たして作れるのか
C 結局、既製品より安く作れるか
D 既製品に負けない見た目にできるか
E 水槽台自作自体が楽しくできるか
F 2個めの水槽台(90センチ水槽台)も制作
G その後、無事使えているか
こんな観点で、いろいろ試行錯誤した経緯を余すことなく詳しく書きます。ちょっと細かい、くどい部分もあるかと思いますが、必要なところだけ流し読みしていただければと思います。では始めます。
まず、水槽の作り方より先に、そもそも安全な水槽台とは何か、どのような性能が必要か、から書きます。どんだけ美しい水槽台でも水槽が割れたり、地震で倒れたりしたら話になりませんので・・・。
既製品より丈夫な水槽台を作れるか
水槽台の耐荷重について
まず前提知識として、水槽台の耐荷重について書きます。「それはもうわかっている」方は飛ばしてください。
水槽に水をいっぱい入れるとどのくらいの重さになるか
参照 https://qube-aquarium.com/tank-cabinet/
私の持っている60センチ規格水槽(600×300×360)は合計重量81キロ
30キューブ水槽(300×300×300)は38.5キロ
90センチ水槽になるといきなり204キロとケタ違いの重量になりますね。
まずはこの重量を支えられる水槽台が必要です。
水槽を、スチールラックやテレビボード、机、下駄箱、カラーボックスに置いている人、実際は結構いると思います。
小型水槽なら大丈夫でも、60㎝水槽あたりでは、かなりリスクがあります。カラーボックスはさすがに貧弱なので、載せようと思う人も少ないと思いますが、スチールラックやテレビボード、机を使う人はいそうです。
この画像はスチールラックに水槽を載せていて地震に遭遇。ギリギリですね。地震でなくても、通常、大抵の市販のスチールラックは60センチ水槽も重量に耐えられません。なのでスチールラックは選択肢に入りませんね。
床の耐荷重について
水槽台の耐荷重について検討しましたが、床の耐荷重も検討が必要です。
木造住宅の床荷重は㎡当たり180kgで、原則的には1平方メートルに180キロより重いものをおいておくと、床が抜けたり、へこんだり、傾いたりする可能性があるそうです。
特に、高い本棚に蔵書を積み上げたりすると、床の補強をしていなければ、床が抜けることも実際にあり、2階建てのアパートで、2階の床が抜け、下に住んでいた人が本に埋まって救急車で運ばれたケースもあるそうです。本も重いですが、水槽も負けずに重いので注意が必要です。
先ほど触れたように90センチ水槽だと水槽台も含めれば204キロの重さがある。横90センチ、奥行き45センチですから、1平方メートルの半分くらいのスペースに200キロの重さがかかるわけです。この段階で水槽台は大丈夫だとしても床はアウト。
もちろん、普通に考えて、家の中で、1平方メートルの空間に、家族が一緒に立っている、といったことだって時にはあるわけで、その家族の体重が、80キロだったら局所的に1平方メートルの中に160キロの重量がかかることだってありえますよね。うっかりその状態でジャンプしても、床が抜けたりはしないでしょう。
また部屋の端っこ、壁際のほうは、中央より耐荷重的に強いようです。水槽はたいてい壁際に置くので、そういう意味でもあまり180キロを厳密に考えなくてもいいとは思います。ですが、古い家とか、床下の木材が腐っている可能性がある家なら、気軽に90センチ水槽を置くのは辞めたほうがよさそうです。床下の補強を建築会社に頼むとなるとコストもかかわりますね。
水槽台が地震で倒れないようにするためには
60センチ規格水槽で言えば、横が60センチでも奥行は30センチです。つまり1対2の比率での長方形です。
しかも普通の家具ではありえないほど重量配分的に「頭でっかち」です。
また水槽内の水は波打って左右に揺れますから、揺れの勢いが増すことだってあるでしょう。
薄っぺらい家具だったら、地震の時に倒れるリスクがあります。
熊本地震で水槽が倒れた人のブログ 平成28年熊本地震で60cm水草水槽が倒壊!
こんな資料もありました。http://kagutenntoubousi.com/tenntoukikenndo.pdf
中に入っているのは大量の水と生き物ですし、大地震の際に、水槽が倒れたり、中の魚が飛び出したり、ましては海水水槽だったりしたら、部屋中に塩水が拡散します。その後の停電などでエアレーションやヒーターや濾過機が停止したりといろいろ災難が続くわけで、最低限、大地震の際に水槽が倒れない、というのは何としても、と思います。
なお、余談ですが、地震の際に、水槽で起きやすい被害は、水槽が倒れることではなく、中の水が外に飛び出すことです。2017年の地震で、我が家では、水槽内の水が5分の1くらい飛び出しました。その程度でも大変でした。これに関しては、フレームレス水槽で、なおかつガラス水槽の場合は「水槽のふた」をするか、「フランジ」の有る水槽ならだいぶ水の飛び出しを防げます。
なお60センチ水槽の水槽台の場合、横幅(長辺)は60センチで高さは60センチくらいがスタンダードだと思います。横幅と高さが同じくらいだったら、サイコロのような形なので、45度以上傾かないと倒れないそうです。
しかし、60センチ規格水槽って、横幅(長辺)が60センチでも奥行(短辺)は30センチです。この場合は、奥行きが30センチに対して高さが60センチという、背高のっぽの台になるわけです。なおかつ上に重量が集中していますし。
参照:地震に強い水槽台を考える
http://quraris.com/raspberryrepublic/2018/06/21/%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%81%AB%E5%BC%B7%E3%81%84%E6%B0%B4%E6%A7%BD%E5%8F%B0%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B/
これによると、60センチ規格水槽にぴったり合う水槽台なら、27度の角度に傾いたら倒れるそうです。また水槽台は床に結合していませんから、地震でずれる、滑ることもあると思います。滑って加速して何かにぶつかって倒れたり、水槽台と水槽がずれたり、いろんなパターンがありそうです。
そこで、私は、後述しますが、60センチ水槽台を自作するにあたって
水槽自体は60センチ規格(600×300×360)ですが、
自作する水槽台の寸法は、600×400にしました。つまり奥行を10センチ伸ばし、
高さ600:短辺300=2対1 という細長い箱ではなくて
高さ600:短辺400=3対2 という多少は正方形に近い箱にすることにしました。
ちょっと水槽台のほうが奥行あるわけですが、ぴったりサイズではなくても、結構頑丈に作ったので問題ないかと思います。ちなみに60㎝ワイド水槽(幅60㎝×奥行45㎝×高さ45㎝)にするつもりなら、奥行きを5センチ追加すれば良いんですが、その予定もないので(水槽の水の量が64リットルから121リットルに倍増するので、重くなりすぎて避けようと)。まあ、60ワイド水槽は奥行も増え立体感出しやすいし、水量増えると水質も安定するから、ゆとりがある人にはおすすめですね。
既製品を選ぶか自作するか
熱帯魚を楽しむなら、第1に水槽、そして中に入る生体や水草、そしてエサや濾過機、照明、エアーポンプ、お掃除セットなどいろいろ必要なものがあります。気づくと思った以上の出費になります。そんな中で、水槽を支える台=水槽台なんて、あまり注目しない、予算も手間もかけない人も多いと思います。
私も前回は既製品を買いましたが、薄めの合板でできている既製品は濡れると膨れ、ビズが錆びたりします。そんなに丈夫ではないし、材料は結構コストダウンしています。というのが私の感想です。
濡らさなきゃいいんだし、しっかり丁寧に作れば、大地震でも来ない限り、たぶん大丈夫だとは思いますが、合板は、表面に化粧していても、濡れて膨れてはがれたり、以外ともろい気がします。
ただし簡単に作れる&軽いのはメリットですね。またへたくそな自作だと家の中で見た目に問題が生じかねません。特に扉を付けれなかったら中のものが雑然としてしまう。塗装の塗り方が下手だと汚いまだら模様になったりする。切断面がまっすぐでないとか、水平垂直がずれるとか、角などをやすりなどで丸めておかなかったとか、いろいろ失敗すると、とんでもない粗大ごみになってしまうリスクも考えました。下手なdiyをするくらいなら既製品のほうが賢いのでは?と。
ただし既製品は90センチ水槽台以上のサイズになってくると、いきなり2万円をこえてきたりもします。そこで私は自作を検討しました。うまくやれば半値でできそうな予感だったので(実際は60センチ水槽台と90センチ水槽台を両方作って材料費などは15000円くらい。慣れないので手間もかかりましたので、だれにでもおすすめできるわけじゃないですが、かなり楽しく満足の品質で、見た目も丈夫さも良いものができたのは間違いないです。
DIY初心者の私による60センチ水槽台の実制作
まず60センチ水槽用の設計です。
まず構造部分は2×4=ツーバイフォーで作っていきます。38×89という寸法です。
1×4=ワンバイフォーのほうが少し安く軽いですが、19×89。つまり厚みが半分です。
60センチ水槽の耐荷重に1×4が耐えられないのか、計算・検証されたものは入手できませんでしたが、多くの方が2×4で制作していました。
なおこの写真のようなかなり頑丈な60センチ水槽台を2×4で自作すると、結構な重さですが、一人でも持ち上げられます。さすがにこれをもって100メートル歩くとかは無理です。90センチ水槽台になると一人で持つのは厳しいです。少し動かすくらいはできます。つまり150センチ水槽台を自作したら、一人では運べないと思います。そういう意味では私は60と90の水槽台を作ったわけです。
まず扉とかの要素は除いて、構造部分だけを作っていきます。この画像が半完成した様子です。これを作っていきます。
図面ではなくて実際に作成したものの画像に寸法を記入していきます。
作成中の様子の画像に、寸法を入れていて、その色が表の色と対応しています。
「青」が水槽台の横ですが、60センチ水槽だからといって600㎜ではありません。その外側に、柱というか縦の木材が左右に加わるので、600㎜から(38+38=76㎜)を引いたら524㎜。
「オレンジ」は水槽台の側面ですが、奥行き40センチ(耐震のため奥行up)だけど、横の木材に挟まれるので400㎜から(38+38=76㎜)を引いたら324㎜。
「黒」は、中央に補強的に入る部材。縦ではなく横に入れたほうがねじれに強くなると聞いたので。600㎜ですが、側面に、38ミリが合計4本あるのがわかりますか?
「赤」は水槽台の高さです。とはいえ天板と底板を敷く場合は、その厚みを引いた長さにすべきです。私は水槽台の高さを横幅より少しでも小さくしたかった!
地震のことを考えると縦長ノッポの水槽台ではなく、少しだけでも平べったくしたかったわけです。結果、535+19+19=573㎜の高さにしました。19は1×4の厚みです。
なお、水槽台の中に、外部フィルターを収納する場合、外部フィルターの寸法に要注意です。この水槽台の中の高さは、横に走る2×4材に当たらない部分は535ミリありますが、当たる部分は、535-89-89=357ミリしかありません。上にも下にも2×4材の長辺(38×89の89のほう)があるからです。この水槽台にはエーハイム2213が入ります。エーハイム2213の寸法は180mm(直径)×354mm(高さ)なので、横に走る床に接地する2×4材の上に乗っかる状態だと上に3ミリしか余裕がなくなります。そしてエーハイム2213の直径は180ミリありますので、ぎりぎり隙間には入ります。実際設置したら収まりました。
「緑」は、絶対必要か?と言われれば必須ではないかもしれません。
これ、制作中の水槽台をコテっと転がした状態です。要するに窪んだ状態になるので埋めるための木材です。
これがあったほうが縦の木材がずれたりしなさそうですし、側面から見たときに、恰好がよさそうです。そんな理由で付けました。
では、ここまでで、使用する木材(2×4材)を整理します。
「青」「オレンジ」「黒」「赤」「緑」の必要本数を足していくと必要な2×4材の長さは算出できます。
しかし2×4材は、ホームセンターで、8ft(フィート)とか12ftとかの長さで販売されています。つまり、12ftの2×4材が何本必要かは、切り分ける計算をしておかないと、ホームセンターに行って、カットしてもらうとき、困るのです。もちろん自分で自宅で丸ノコで切るときも、困ります。
ということで上記の計算をしたわけです。12フィートは3.6576メートルです。
524や535や324、222は4本ずつ必要で、448は2本ずつ必要なので、
12ftの2×4材で全部そろいそうだと思ったんですが、
1カットするたびに木は3ミリくらい削れます。短くなっちゃうんです。
なので、8カットすると24ミリ、木が短くなる。
なので急遽、2×4材の910ミリを買い足して、間に合わせました。
なお、さっきの計算表ですが、12ftの2×4材の切り分け方が2本とも同じになっているのに気づきましたか?
これは、こうすると2×4を2本重ねて、カットしてもらえるので、カット料金が半値に節約できるためです。
私が行ったホームセンターは1カット50円なので、10カットで済めば500円。20カットなら1000円です。
材料をそろえる
この写真を見てください。
ホームセンターでカットしてもらった木材で、構造部分です。2×4です。
とりあえず基本構造体部分だけの木材は以上です。
組み立て開始
まず底部分から制作開始します。
インパクトドライバーはホームセンターでレンタル
木材同士はビスを電動ドライバーで打ち込んでいくことでつなげていきます。この電動ドライバーは、以前、近くのホームセンターで、2000円台で買った格安のコード付きの電動ドリルドライバーです。2×4材は比較的柔らかい木材ですが、この安物の電動ドライバーでは、下穴開けて、コーススレッドを20本くらい打ち込んだ段階で、焦げ臭い感じになって壊れました。
後日、14.4vのインパクトドライバーをビバホームスーパーデポで、一泊二日で500円で借りるとさすがにパワーが違ってすいすい作業できました。インパクトドライバーは、プロの大工さんが使うのは3万円以上したりしますがdiy用だと1万円代から購入できます。でも、滅多にdiyしない私にとっては、高い買い物です。ということでホームセンターのレンタル工具に頼ったわけです。
ビスはコーススレッドかスリムスレッドを選ぶか?
ビスは、太いと打ち込む際の抵抗が強い、長いと貫通してしまう。でも細いと折れたりして弱いし、短いと抜けたりする。
大工さんなどの仕事を見ていると、木材の厚みなどに応じて、適切な長さのビスを使い分けています。
(まだ書きかけです)