北海道内のふるさと納税。返礼品総まとめ2016

      2016/07/03

北海道内の市町村には、農業、漁業をはじめ数多くの特産物があり、ふるさと納税の取組ではやはり北海道ブランドの力もあって、大きな成果を上げている自治体も少なくありません。「ふるさと納税」の平成27年度は、道内自治体への寄付額は150億3600万円で都道府県で3年連続全国1位です。しかも前年度比3・5倍です。そんな乗りに乗っている北海道のふるさと納税について、今回は、2016年7月現在、新聞紙上などを賑わしている話題をダイジェストでお知らせします。

なお、ふるさと納税は、居住地以外の自治体に寄付すると、額に応じて個人住民税が軽減される制度です。平成20年に始まり、27年には、住民税の1割程度だったのが2割程度に拡大し、さらにブームが拡大しています。

●上士幌町 寄付額道内1位を独走!
 上士幌町の平成27年度の寄付額は15億3700万円。前年より6億6100万円増。寄付件数も75100件。全国では15位です。寄付者を対象として大阪と東京で交流会などを行う他、クックパッドで返礼品を使ったレシピ紹介頁を設けるなど独自の取組をしている。また寄付を子育て支援に活用するなどの取組が住民にも支持される要因だそうです。
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平成26年に「中居正広の金曜日のスマたちへ(金スマ)」でタレントのデヴィ夫人と駒田健吾アナウンサーが町内で特産品を味わうシーンなどが約25分間にわたって放送。農業生産法人「ドリームヒル」の敷地内にある「アイス工房ドリーム」の自家製ジェラートが特に人気で、生産が追いつかないほど。返礼品の中には寄付者が生活で排出した二酸化炭素(CO2)1トン分を町有林で吸収したとみなす「カーボンオフセット」もあります。個人的には、有名な十勝しんむら牧場のミルクジャムを選びたいです。

●根室市 返礼品が300種類!
 道内2位は根室市です。なんと返礼品の種類が300品目。ロシア産のタラバガニや花咲ガニ、サンマなど水産品が中心ですが、短角和牛のシチュー、完全無農薬のニンニク、チーズ詰め合わせや焼き菓子、さらにはオランダ煎餅の手焼き体験などバリエーションも豊富。平成27年は12億9000万円。前年比では約380倍という急拡大中。根室市は平成28年度、約13億円の財源不足に直面していて、長谷川俊輔根室市長は「ふるさと納税がなければ予算編成できなかったのではないか」と話している。
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●厚岸町 やはりカキが人気。
 平成28年6月からふるさと納税を開始。厚岸漁協の殻カキ20個セット(1万円相当)が一番人気。毛ガニやソフトクリームなども人気。10日で450万円分の申込みがあったそうです。
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●当別町 寄付額5億円超え!
 当別町のふるさと納税、寄付額は平成27年度は5億2000万円。前年比4・6倍と驚異的に伸びています。当初は米が中心だった返礼品も今では野菜系を中心に66品目あり、クレジットカード決済もできる。ロイズのチョコや農産品などが魅力。この収入を子どもプレイハウスの開設時間延長、乳幼児医療の助成、街路灯のLED化などに活用しているそうです。

●利尻町 ウニとか返礼品の充実で反響拡大!

利尻町は平成28年6月から、返礼品にエゾバフンウニとキタムラサキウニの食べ比べセットや、利尻昆布梅酒と焼酎のセットなど、24種類を追加したところ、1カ月で過去最高の約2000万円分の申込みが殺到しています。そりゃ利尻といえば昆布やうにや・・・海産物に恵まれていますからね。
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●池田町 空き家の見回りやお墓の掃除も!
池田町は、マチゆかりの人に応援してもらう、ふるさと納税の本来の趣旨に沿った返礼品を考案。返礼品として町出身者向けに、3000円以上の寄付に対して、実家(空き家)の見回り、5000円以上の寄付に対して墓地の清掃代行などを導入。もちろん特産、十勝ワインや牛肉なども人気。平成27年度は2・3億円くらいの寄付額。
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●遠別町 カード決済と種類増が好評

 平成26年度の寄付額は659万円でしたが、27年度は1億3026万円に急増した。「ふるさとチョイス」によるカード決済導入と、返礼品を6倍増の46品に増やしたのが要因。まもなくもち米を使ったロールケーキやアイスクリームなどが加わる予定。

●豊富町 シカ肉ステーキやバター。特産品が魅力!

 シカ肉ステーキやバター、札幌―豊富間のバス往復乗車券など56品目。26年度は1億8470万円と前年比7倍に伸びている。
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●名寄市 農産物を活かした加工食品が人気

 26年度は白いトウモロコシ、アスパラ、煮込みジンギスカン、切り餅セットなどがあったが、もち米で作ったみりん、ブランド豚、トマトジュースなど品目を追加。寄付額も増えています。

●新篠津村 平成28年6月から開始!

 新篠津村は平成28年6月からふるさと納税を開始。タマネギ、トウモロコシ、グリーンアスパラ、米などの35種類。「ふるさとチョイス」で受け付け開始。

●中川町 地場産材を使った椅子を用意
 中川町は平成28年6月から、100万円以上の寄付者に、カンディハウスの、中川産ヤチダモで作ったロッキングチェア、東川町の宮地鎮雄氏が、町産オニグルミ材で作ったUチェア。
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●浦臼町 ハンバーグやメロンが人気!
 浦臼町は、神内ファーム21の和牛ハンバーグ10枚セットやメロンセットなどが人気で平成27年度は3億5340万円。
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●秩父別町 お米が人気
 ななつぼしが人気でクレジットカード決済も後押しに。平成27年度は1億4883万円で前年比60倍以上に拡大。

●夕張市 メロンに特化
 返礼品はメロンだけ。27年度は2億713万円と好調。
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●芦別市 高級紳士服?
 市内に工場がある高級紳士服の仕立券は毎年数件の応募があるという。
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●恵庭市 ビールが一番人気
 34種類中1番人気はサッポロビール北海道工場のビール。余湖農園のジュースなども人気。

●中富良野町 メロンが人気
 37種類を用意。最人気はメロンでダントツ。アスパラガス、米も人気。

まだまだふるさと納税に力を入れている道内自治体はたくさんあります。特に最近は品目を増やす自治体が多い気がします。地域の特産品を育てる一環と、同時に収入を確保しまちおこしに活用する。制度があるのなら乗り遅れず、むしろ積極的に乗っていこうということなのかなと。ちょっと過熱気味、そしてこの取組をしていない市町村にすれば住民税が減ってしまうだけという側面もあり、また、返礼品としては引き合いがあっても、実際に、普通に販売したときには売れる商品に育っているのか、どうなのか。そしてふるさと納税で寄付した人が、果たしてその寄付先の市町村のことを多少なりとも知ったり、愛着をもったりしているのか、というなかなか悩ましい感じもありますが・・・

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