水槽の「フランジ」の大切さ(見た目と機能性の葛藤)

   

熱帯魚水槽の上部には、内側をぐるっと囲むようにガラスやアクリルの細い板状のものが設置されている場合があります。それが「フランジ」です。

元々の役割は、水槽のガラス蓋を乗っけるための台であり、同時に、水槽の側面(アクリル板)が水圧で外に膨らむのを防ぐ「梁」のような役割のものですが、デザイン性、フォトジェニックな水草水槽を作りたい人にとっては、見た目的に邪魔、なので、これがない水槽が主流になってきました。制作手間が減りコストダウンにもなるし。

ところがこの「フランジ」のない水槽。昨日のように震度5とかを超える横揺れの地震だと、水槽内の水が室内に盛大に飛び出すんです。ガラス蓋をしても、ガラス蓋がズレて落ちたりして・・・災害時に余計な苦労が増えるわけです。海水水槽だったらさらに悲惨です。室内塩水だらけ。

またオールガラス水槽やアクリル水槽は面と面をシリコンで接合しているだけなので、経年劣化や、コケ取り作業のせいでシリコンが剥がれると大惨事(水漏れ)が生じます。フランジはそのリスクも若干ですが減らせます。

大地震経験者は、この「フランジ」が、水槽の水の飛び出し防止にも重要な役割を果たすことを経験で知っています。水の「返し」になるし、水槽「強度と耐久性アップ」と、魚や貝の脱走防止にもなるし。

で、こういうのは体験(トラブル発生)してみないとわからない話で、フランジナシの方が見た目美しいので大抵の人はナシを買うわけです。つまりよく売れるのはフランジなしの方なのでメーカーも・・・ 

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