「ぼくらの仮説が世界をつくる」良書かと

      2016/01/19

自己啓発本やビジネス系はほとんど読みませんが「宇宙兄弟」「働きマン」「ドラゴン桜」などメガヒット作品の編集者、佐渡島庸平さんの仕事ぶりが分かると評判だったので読みました。編集関係者だけでなく、メディアやネットに関わる人にも参考になる良書かと。ごく一部。書き留めておきます。

12540825_999344813461151_3302276449941176977_n
●ヒット作が出ない理由
出版社が優れた本を世に送りだせない理由。出版不況の中で、社員の給料の支払いが心配になり、決算という過去の情報を元に来期をイメージしてしまうので、今期の延長線上にあるアイデアしか思い浮かばない。この時代を生き抜く、出版の新しい形を模索すべき時代なのに類書の実績などを指標に、無難に売れる作品しか発売できない。日本には作家の「異能」を世に出せるエージェントがいない。

●「質」と「親近感」

スマホやSNSがテレビや映画、音楽、読書の時間などを奪う。プロが作った作品じゃなく、友達が書いた「くだらないSNS投稿」を熱心に見てしまう。それは大抵の人はそもそも「これが見たい」という強い志向で選んでいたのではなく「何となく」で良かったから。そして友達の投稿にある「親近感」が重要だから。マンガの「二次創作ブーム」や「ソーシャルゲーム」も同じく「親近感」が鍵。

●感情をシェアする楽しさ
「スポーツ」も「本」「芸能人」も見るだけでなく、ファン同士が「語り合う」場があってこそ面白くなる。「異能」の存在である作家に対し、単に本を出版(パブリッシュ)するだけでなく、「異能」をSNS、物販、イベントなども含め全てパブリッシュするエージェントが「感情をシェアするサービス」で作家と作品を世に出していく必要がある。

●編集者とは
出版の世界は100年で制度疲労を起こしている。ネットにもまだ確固としたビジネスモデルがない。編集者は、作品作りをサポートする職人的な編集者ではなく、そのコンテンツをいかにして読者に届けるかを徹底して考え実行するプロデューサーであるべき。どの時点で「お金をください」と頼むとファンが気持ちよく払ってくれるかという問いを編集者がゼロから考えなければならない時代。佐渡島さんは、コルクという会社を創業し
http://corkagency.com/ 作家の作品を本だけでなくSNSや物販、イベント、そして海外販売など多彩な仕掛けで世に問い、作家をサポートしている。

私的には、少しでも自分の血肉になるように、頭の整理として書きました。恐縮ですが上記だけ読んでも、本書がなんなのか、あまりわかるとは思えませんm(_ _)m。本書、読まれることをおすすめします。

栗原
北海道・札幌の編集者・ライター栗原です。紙やwebなど様々な媒体で取材・撮影・記事を制作しています。栗原のプロフィール facebook  twitter  mail  札幌良い住宅jp

 - WEB,